アナログは静かだ
当然のことながら、電力を使って何かをすれば人間は働かずして機械がなんでもやってくれます。
便利だし、速いし、場合によってはものすごくエコだったりもします。(食洗機なんかは洗剤量、水の使用量、電力全てにおいて手洗いよりエコだったりします)
しかし反面、電力を使ってやるわけですから、うるさいです。始終何かしらの音を立てています。
例えば、エスプレッソメーカー。
チェコの友人宅に泊まるとき(例のカリグラファーのニコラんち)、家にエスプレッソマシーンがありまして、水とコーヒー豆セットしとけばボタン一つでポンですよ。PONですよ。それはもう、楽ちんです。一瞬です。
ところが、すんごいうるさいんですよね。起動するたびに、そして淹れる前に必ず、ずごごごご、ガーーーーとかいってクリーニングして、んでやっと一杯入るというわけ。
静かな友人宅に響き渡るあの音。そばのソファーで寝てる猫を起こしやしないかと毎回びっくりしてしまいます。(実際彼女はピクリともしないんだが。どうなってるんだ…)
かたや自宅に帰ってくると、愛しのビアレッティちゃんで、手で入れます。
水をセットして、コーヒーをいちいち水平にならして入れて、火にかけて、しばらく待って…。
ところが圧倒的に静かなんです、当然ながら。
水が沸騰してコーヒーが出始めても、殆ど何の音もしない。
最後の段階になってようやくちょっとだけ、ズゴゴ。と控えめな音をたてるので、音楽とか聞いてるとたまに聞き逃してしまうほど。

この世にこんなかわいいエスプレッソメーカーがあるのか!と思った。
本当かわいいです、しかも本当に美味しいのが淹れられる…。
とにかく、静かなんです。圧倒的に静か。
ミルクを温めるのだって、何の音もせず静かに湯気が立ち始めるのを見て火から下ろす。
静かなんです。
そして、お分かりだと思いますが繊細な人間たちにとって、静けさは宝です。
かすかな音を聞き分けてコーヒーを淹れる朝の時間は、とても心地いいものです。
そういうのって実は大切な静けさなのだな、と最近、強く感じるようになりました。
アナログが全てだと言いたくはないし、思ってもいないけれど
最近思うのは
やっぱり、アナログの静けさやわずかな音、
実際の「物」を扱うときにだけ起きる自然な音や感触で確かめながら進む道は
もっと心地よい、ということ。
でも例えば、当たり前だけど、洗濯機を使わず全部手で洗濯するのは大変。そういうのから解放されたから今、女性が働けるようになっている。
こっちの洗濯機、音けっこううるさいのですが(笑)でも、ありがたいんだよなぁ、と思いながら使っていたり。
余談ですがなんか最近、ちょっとしたことでも「ありがたいなぁ」「ありがとう」と1人で天に感謝しています。何なんだろう。勝手にそうなってきました。
静けさをくれるアナログと、必要な場面で使うべき電化製品とは、
今後もありがたくそして自分のニーズや状況に合わせて、丁寧に使い分けていきたいなぁ。なんて思う今日この頃です。